読書記録:宇佐美りん「推し、燃ゆ」
今年は定期的に読んだ本を記録に残しておこうということで、2021年最初はこの本から。
芥川賞を21才の大学生作家・宇佐美りんさんが受賞したということで、受賞作「推し、燃ゆ」を早速電子書籍で読んでみました。
推し、燃ゆ
推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。
熱狂的にアイドルを推している主人公と、その推しにまつわる話です。あらすじにもあるように、推しがある日突然ファンを殴り、主人公の日常が変わってしまいます。
主人公は、病名こそ本の中には出てきていないけれど、明らかに発達障害があります。意図していないのに日常がどんどん崩れていく主人公と、自分の意思で日常を壊した推しの関係性も面白いです。
ここまでリアルで細かい描写を21才で書けるのか、と思いつつ、そこまで長くなかったのでサクッと読んでしまいました。
今私も推しがいるのですが、この小説に出てくる子のように自分の日常と引き換えに全力で推すことは私には難しいし、どうやったって未来永劫こんな風に思える推しは出会えないんだろうなあと感じましたわ。